【医師監修】インスリン調整の基準「スライディングスケール法」「アルゴリズム法」とは?

インスリンを調整する2つの方法

血糖コントロールを行うインスリンの調整には、「スライディングスケール法」と「アルゴリズム法」と呼ばれる2つの方法があります。

スライディングスケール法は短期的な視野で目の前の血糖値をコントロールしようとする考え方、アルゴリズム法は目の前の血糖値の原因を振り返って判断しようとする考え方です。それぞれの特徴から、スライディングスケール法、アルゴリズム法はそれぞれ「前向き調節法」「後ろ向き調節法」ともよばれています。それぞれの具体的な方法についてみていきましょう。

短期的な視野で調整する「スライディングスケール法」

測定された現時点での血糖値に直接対応しようとするのが「スライディングスケール法」の考え方です。単純な例でいえば、測定された血糖値が高い場合にはインスリンの量を増やして血糖値を下げ、低い場合には減らして低血糖発作を防ぐといったように、血糖値の変動にあわせてインスリンを増減させるといった調節が行われます。

シックデイをはじめとする高血糖になりやすい場合や、食事があまりとれず低血糖になりやすい場合には血糖値が激しく変動します。このようにいつもと違う要因があって血糖値が変動している場合に、現時点での高血糖・低血糖を速やかに落ち着かせるために用いられます。

もっともスライディングスケール法が長期的に用いられた場合、血糖コントロールにとって逆効果になってしまうことがあります。

目の前の高血糖を落ち着かせるため多量のインスリンを投与すると一時的に血糖値が下がり、次の測定時点では低い血糖値が記録されます。これに合わせて次に投与するインスリンを少量にすると、今度は一時的にインスリンの作用が弱くなり血糖値が上昇するため、次の測定時点では再度インスリンの量を増やす必要が生じます。こうしていたちごっこ式に血糖値が変動してしまうのです。このため現在では、スライディングスケール法はあくまでも緊急の場合にかぎって用いられるものとなっています。

また1人の患者さんに対して複数の医師が関わっている場合、各々の医師によって血糖値の区切り方や「未満」「以下」などの基準の使用、インスリン量の調整の仕方が必ずしも一定でないことも指摘されてきました。1人の患者さんに対し、短期的にあちらとこちらで異なる調整基準が用いられるとミスを引き起こしやすくなり、医療インシデントの発生にもつながりかねません。このため、スライディングスケールの標準化も進められています。

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