【医師監修】糖尿病患者さんは膀胱炎にかかりやすい?「神経因性膀胱」とは

糖尿病患者さんが膀胱炎にかかりやすい理由

・「神経因性膀胱」とは
糖尿病の患者さんが尿路感染症を発症しやすい理由のひとつに、「神経因性膀胱」があります。

神経因性膀胱とは、排尿のための神経信号がとどこおるために膀胱炎を発症する場合をいいます。膀胱内に尿がたまってきても排尿すべきとの信号が送られないと、うまく排尿することができず、尿が膀胱の中に放置されてしまうのです。そのままでいると細菌が排出されずに膀胱内に蓄積され、炎症を生じます。糖尿病患者さんが神経障害を生じている場合、神経因性膀胱による膀胱炎も発症しやすくなっているため要注意です。

・SGLT2阻害薬の影響があることも
糖尿病の患者さんは免疫機能が低下しているため感染症にかかりやすく、細菌による尿路感染を起こしやすい状態にあります。細菌が繁殖しないよう、陰部やお尻まわりを清潔に保っておきましょう。また頻尿や残尿感、寒気など、トイレでいつもと違う違和感を感じたら、尿検査を受けるなど医師の診断をあおいでください。

特に糖尿病の患者さんで血糖値を低下させるSGLT2阻害薬を服用している場合には、尿の中に尿糖が出やすくなっているため細菌が増殖しやすく、尿路感染症を起こしやすくなっています。他に免疫抑制剤や抗生剤などの薬を服用している場合には、その影響で膀胱炎を発症することがあります。

膀胱炎の症状は抗菌薬を投与することによって、比較的速やかにおさまります。しかし排泄に関わる症状ですから不快感もあり、また、重症の場合には尿があふれて突然失禁してしまうこともあるため、人によっては精神的ショックを受けることもあります。トイレを我慢しない、清潔な下着を使い細菌を繁殖させないなど、日ごろの予防をこころがけてください。特に寒い季節には、「トイレに行きたい」という感覚だけでなく、日に何回トイレに行っているか、時間があきすぎていないかをチェックしておくといいかもしれません。また、膀胱炎の治療中は再発を防ぐため、症状がなくなったからと投薬をやめずにきちんと処方された量を飲みきることが重要です。

参照・参考
女性に多い膀胱炎(ぼうこうえん) : 高知医療センター 
糖尿病と感染症のはなし | 糖尿病情報センター
膀胱炎・腎盂腎炎 – 阿佐谷すずき診療所
神経因性膀胱 | 順天堂大学・順天堂医院泌尿器科
尿路感染症【泌尿器科疾患について】 – 東京慈恵会医科大学 泌尿器科
日本化学療法学会雑誌第64巻第5号
重篤副作用疾患別マニュアル

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