【医師監修】糖尿病で生じる「痛み」にはインスリンシグナルが関係している?

インスリンシグナルと「痛み」の関係

糖尿病に関連して生じるこうした「痛み」は、高血糖による血管やニューロン周囲の組織へのダメージが一因ではないかと言われてきました。2018年に発表された研究では、この痛みがインスリンシグナルの障害によって発生する可能性が指摘されています。

テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らによって行われたこの研究では、ショウジョウバエを用いた実験により、痛みを感得するニューロンにおけるインスリンシグナルの障害が継続的な痛覚過敏を引き起こす原因となる可能性が示唆されました。

体内で分泌されたインスリンがインスリン受容体に結合すると、その信号はさまざまな伝達物質を介して細胞表面にまで伝わり、細胞内にグルコースが取り込まれます。このときに生じる信号の伝達を「インスリンシグナルの伝達」と呼びます。

実験の内容は、インスリンシグナルの伝達を阻害した条件、1型糖尿病に類似した条件、2型糖尿病に類似した条件を整えたショウジョウバエの幼虫に対して刺激を与えるというものです。その結果、1型・2型糖尿病条件の幼虫と、インスリンシグナル阻害条件の幼虫とで、刺激に対する同様の痛覚過敏反応がみられました。これにより、糖尿病で生じる痛覚過敏にインスリンシグナルが関わっていると推測されます。

血糖コントロールとは異なるアプローチによって「痛み」への対処ができるようになるか、今後の研究の進展が待たれます。

参照・参考
研究テーマ | 国立大学法人 徳島大学
糖尿病の神経障害 – 山東クリニック
臨床神経学雑誌第49巻第4号
神経障害 | 糖尿病情報センター
Drosophila Insulin receptor regulates the persistence of injury-induced nociceptive sensitization | Disease Models & Mechanisms

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