治療と予防コラム

大切な家族が糖尿病と診断された…そのときあなたにできる糖尿病管理のサポート

糖尿病は、血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの作用や分泌が低下してしまうことによって起きる病気です。
また一度糖尿病になると完治は難しく、生涯付き合っていかなければならないものです。


糖尿病の治療の基本は、運動療法や食事療法といった日常の生活習慣の改善にあります。
したがって、毎日一緒に生活している家族の協力が大変重要になるのです。

ここでは、家族が糖尿病と診断された場合に、糖尿病管理のために知っていてもらいたい知識や、サポート方法について紹介します。


命に危険を及ぼす可能性のある低血糖の兆候と対処法

糖尿病が進行すると血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を補う薬(インスリン製剤)が必要になる場合があります。

インスリン製剤の使用中は、この効き目によって「血糖値が下がりすぎる状態」すなわち「低血糖」状態になることがあり、ひどい場合には命が危険になる可能性もあります。
低血糖状態はインスリン製剤の過剰投与やインスリン使用後の過度な運動などの場合に多く起こります。


またインスリン製剤を使用していない場合でも、低血糖になることもあります。原因としては、過度な食事制限や激しい運動、下痢嘔吐などで十分な食事がとれない、などが挙げられます。

低血糖は放っておくと、意識障害を起こしたり、昏睡状態に陥ってしまい命に危険が及ぶ場合があるので、患者だけでなく家族も低血糖の兆候や対処法を知っておくことが大切です。

 

・68mg/dl(平均値):体が低血糖状態に反応し、血糖値を上げるためのホルモンの分泌を始める
・53mg/dl(平均値):空腹感・手足の震え・冷汗・ほてり感・動悸・吐き気
・48mg/dl(平均値):強い空腹感・脱力感・めまい・注意散漫・物が二重に見える
・30mg/dl(平均値):意識障害、けいれん


症状には個人差がありますが、軽度の段階では強い空腹感・手足の震え・冷汗などの症状が兆候として現れます。
こういった兆候が現れたときは、食事時間の直前であればすぐに食事をとりましょう。
このときには炭水化物やフルーツなど糖になるものを先に摂取するようにしてください。
食事の時間ではない場合は、医師からブドウ糖を処方されている場合はすぐに服用しましょう。


そうでない場合は、200~300ml程度の甘いジュースを飲んだり、飴やチョコレートを食べましょう。
直接10~15g程の砂糖を摂取するのも効果的です。そのまま舐めるか白湯などに溶かして飲みましょう。
外出中に低血糖になってしまった場合にも対応ができるように、これらの物をいつも持ち歩くと安心です。


何度か低血糖を起こすと、どのような症状が現れるかというパターンがだいたい決まってくることが多いので、糖尿病患者さんと家族や会社で共有しておくと良いでしょう。


病状によって低血糖時の対処法が変わることもあるので、あらかじめ医師にも確認しておきましょう。また低血糖が起こった後、必ず医師に報告するようにしてください。状況によっては治療方法の変更が必要になる場合もあります。


家族も一緒に食事療法をすることが望ましい

糖尿病は生活習慣病であり、家族の一人が診断されたということは、一緒に生活している家族にも糖尿病になる危険が秘められています。
糖尿病の食事療法の基本は規則正しい時間に栄養バランスの良い食事をとること、特に甘いもの・塩辛いもの・油っぽいものは控えることにあります。


それらのことは糖尿病患者さんだけでなく家族も一緒に改善していけると望ましいです。
そうすることで、家族の糖尿病の予防になるだけでなく、糖尿病患者さん自身の励みになります。


しかし、全てのメニューを一緒にすると、成長期の子どもや一日の活動量が多い人の場合ではカロリー不足に陥ってしまう可能性があります。このような場合には、個別に一品追加する、量を増やすなどで対応しましょう。


長期間に渡って続けなければならない糖尿病の食事療法は、糖尿病者さん本人も大変ですが、食事を準備をする家族も大変です。
糖尿病食の宅配やレトルト食品もあるので、そういったものを上手く利用して根気よく食事療法を続けていくことが大切です。


精神的サポートをすることで、治療の援助やうつ病の予防につながる

糖尿病患者さんはうつ症状の出現率が高くなることが知られています。

糖尿病になると、治療のために今までの生活習慣を変えなくてはなりません。
しかもそれを一生続けなければならないのです。
時としてそれは糖尿病患者さんにとって大変ストレスとなるでしょう。


今までの生活習慣を変えなければいけないことへのストレスや、合併症が起こるかも知れないといった不安、また、糖尿病について周りの人が理解してくれなかったり、相談できる人が見つからずに困ってしまうなど、精神的な負担も抱えることが多いのです。

ストレスは、血糖値を上昇させるホルモンが分泌させたり、暴飲暴食につながったりもしてしまいます。糖尿病患者さんにとって、実際の治療以外にも精神的サポートも大変重要になってきます。


そんなときには日頃から話す機会を積極的に持ち、思いを共有したり愚痴を聞いたりして、ストレスが軽減できるようサポートしましょう。
一緒にウォーキングなどの運動療法を行うことも大切なサポート方法です。

糖尿病患者さんを支える家族は、病気の改善のためを思ってつい厳しく注意したりしたくなることもあるかと思いますが、時には思いを全て受けとめてあげて、精神的な支えにもなれるようサポートすることが重要です。


糖尿病と診断された家族のために、低血糖への対応や食事の工夫、精神的な援助が重要

糖尿病と診断された患者さんの治療のサポートをするためには、危険な状態にもなりうる低血糖の兆候や対応を知ることや、日々の食事の工夫、ストレスを溜めずに治療を続けるための精神的サポートが必要です。

糖尿病患者さんと一緒に、家族も治療に取り組む気持ちでサポートしていきましょう。

PR注目記事

健康道場「うまくつきあう80kcalショコラ」
健康道場「緑のサラナ」

糖尿病クイズ 〜あなたはどのくらい知っている?〜

糖尿病QUIZ!(基礎知識編)

糖尿病になりやすいのはどこの国の人でしょう?
1. 日本
2. アメリカ
3. オランダ

糖尿病とうまくつきあう

糖尿病ニュース

座りっぱなしは健康への悪影響が!立ち上がって運動を

みなさんは1日の中でどのくらい座って過ごしていますか? 体をあまり動かさない座ったままの時間が長いと、血液がドロドロになり、動脈硬化が進みやすくなるおそれがあるという研究が発表されました。 詳 ...

健康的な生活は朝食から!動脈硬化の予防にもつながる!

忙しいとついつい抜いてしまいがちな朝食ですが、健康のためにはしっかり食べる事が重要です。 朝食を抜く習慣のある人は、朝食をしっかり食べる習慣のある人に比べ、動脈硬化を発症する可能性が2倍に高まるとい ...

その他の記事

適切な治療を阻む残薬問題。糖尿病との関わりは?

近年では、患者さんが多くの薬を飲み残す「残薬」が、適切な治療や医療費の削減等の観点から問題視されています。 2017年11月14日、日本イーライリリー株式会社(以下、日本イーライリリー)は2型糖 ...

座り過ぎは糖尿病リスクを高める!? 立って過ごす時間を増やそう

デスクワークの仕事が多い方の中には、1日のうち長時間を座って過ごしているという方も多いのではないでしょうか。しかし、座っている時間が健康に与える悪影響を指摘する研究も多く存在します。座っている時間が長 ...

早食いを改めることで糖尿病リスクが低下? 食事にかける時間と健康の関係

食事は健康を維持する上で重要な要素であり、栄養バランスのとれた食事は糖尿病の食事療法においても基本です。しかし、食事の取り方までは意識していないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 食事 ...

買い物弱者は健康のリスクが高い。国が推奨する対策とは?

近年、買物環境の悪化に見舞われる「買物弱者」と呼ばれる人の数が増えています。この問題は多くのリスクを含んでおり、その1つとして健康状態の悪化が指摘されています。 日々の買物は食事の充実や生きがい ...

世界糖尿病デーの重要なテーマに。女性が糖尿病に注意しなければいけない理由は?

11月14日は、「世界糖尿病デー」です。これは、インスリンを発見したカナダのバンディング博士の誕生日を由来としており、1991年にIDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)によって制定しました。 ...

特殊構造のマットレスが糖尿病の治療に期待。睡眠の質と症状の関係は?

寝具ブランドのひとつ、「東京西川」は自社商品である特殊構造のマットレスを用いた共同研究を行い、糖尿病予防につながる効果が期待できることを明らかにしました。この研究で得られた結果は、睡眠の質が糖尿病のリ ...

一覧に戻る

Facebook始めました!レシピ集更新中!
レシピ集

糖尿病ニュース

糖尿病になりました

PAGETOP