治療と予防コラム

犬を飼っていると身体活動量を維持しやすい。報告された研究の内容は?


犬の散歩が運動量に影響

一方、英国のイーストアングリア大学の食事・運動・リサーチセンターやケンブリッジ大学の研究チームは、犬の散歩をする習慣と運動量の関係について調査しました。

この研究では、49歳から91歳までの男女3,123人が対象になりました。対象になった人たちに対して「犬を飼っているかどうか」「犬の散歩をしているかどうか」を調査した上で、活動量計を7日間装着してもらい、身体活動レベルの測定を行いました。

得られたデータを解析した結果、犬の散歩を行っている人はそうではない人よりも身体活動量が多く、座って何かしらの作業を行う時間が短いことがわかりました。犬を飼っている人たちの1日の散歩の時間は、平均して約30分でした。

さらにこの研究では、犬を飼っている人の身体活動は季節や天候の影響を受けにくいことがわかりました。

多くの人は、寒くて日照時間の短い冬や天候の悪い日には、身体活動量が低下します。しかし犬を散歩させている人の場合は、そういった日でもいつもと同じ運動を続ける傾向が、比較的強くなっています。

この研究では、犬の散歩を行う場合、運動教室などが介入するよりも大きな効果をもたらすことが示されました。この結果から、犬の散歩は運動量の維持に有効な方法になる可能性があると考えられており、そのメリットに高い関心が寄せられています。

人は、犬を飼うことでパートナーである犬のために散歩を欠かさないようになります。この理由は、自分のために運動するよりも強い動機となり、加齢などの理由による身体活動量の低下を防ぐ手段としての効果が期待されています。

もちろん、住んでいる環境などの理由から、犬を飼うことができないケースもあります。しかし、自身の健康のための運動ではなく、自身以外のために行う運動が強い動機となり、結果として自身の健康につながる可能性があるといえるでしょう。

参照・参考
NCBI│Impact of Physical Inactivity on the World’s Major Non-Communicable Diseases
Journal of Epidemiology & Community Health│Dog ownership supports the maintenance of physical activity during poor weather in older English adults: cross-sectional results from the EPIC Norfolk cohort

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