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【医師監修】筋肉を味方につけて糖尿病改善!筋トレが身体に与える影響とは?

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糖尿病の治療では、食事療法と共に運動療法もすすめられます。運動によるカロリー消費のみならず、筋肉が増えることも血糖コントロールに有効であることが分かっています。今回は、筋肉が糖尿病にどのような効果をもたらすのかを見ていきましょう。

骨格筋・平滑筋・心筋に分かれる筋肉、20代をピークに徐々に減少

私たちの身体や器官はさまざまな種類の筋肉に覆われています。筋肉には、自分の意志で動かすことができる「骨格筋」と、自分の意志に関わらず動く「平滑筋」「心筋」の3種類があります。

骨格筋
歩きたいときや起き上がりたいとき、手や足を挙げたいときなど、身体を動かすのに使われる筋肉。骨格筋は、筋肉を自分の意志で収縮させることによって動かすことができます。自分で動きをコントロールできるため、随意筋とも呼ばれています。

平滑筋
血管・消化管・気管支壁などの内臓を主に形成する筋肉。身体が必要としたときに筋肉が動くことで、身体の機能を調整しており、自分の意志で動かすことはできないため不随意筋とも呼ばれています。
たとえば、胃腸にある食べ物や便は、胃腸の筋肉が動くことで移動しています。また、血流の調節も平滑筋の仕事の一つです。動脈の血管は三層からなっていますが、そのうち中層部は『血管平滑筋』と呼ばれる筋肉組織からできており、血流量は、身体の必要性に応じてこの筋肉が収縮することで調整しているのです。

心筋
心臓を形づくっている筋肉。心筋も不随意筋で、自分の意志とは関係なく弛緩と収縮を繰り返すことで全身への血液を循環させています。

糖尿病では、運動も大事な治療の一つです。運動は糖尿病患者さんにおいて、エネルギー摂取・消費バランスの改善や肥満解消、また食後の運動では血糖値の過度な上昇を防ぐことが期待されます。

そして、運動のメリットは筋肉量が増えることにもあります。
血液中の余分なブドウ糖は、主に筋肉に取り込まれ、エネルギーが切れてしまわないように備えています。運動によって筋肉量が増えると、ブドウ糖を取り込める容量も増えます。そのため、血液中にブドウ糖が余りにくくなり、その結果、高血糖を防ぐことに効果的なのです。

筋肉量は20代がピークで、それ以降は徐々に減少していきます。中高年では血糖値が高くなりがちなのは、筋肉量の減少も関連していると考えられています。

筋肉量増加によって代謝アップ、肥満解消、そしてインスリン抵抗性改善が望める

では、糖尿病患者さんにおいて、筋肉量を増やすことには、他にどのようなメリットがあるのでしょうか?

1.代謝が上がり、肥満解消に

私たちは、特に何もしていなくても自然にエネルギーを消費しています(基礎代謝)。通常の活動量の方の場合で、1日の全エネルギーの約60%は基礎代謝で消費されているので、基礎代謝を上げることは肥満対策にも有効だといえるでしょう。
全身の基礎代謝のうち30%は骨格筋で代謝されています。そして、運動によって量を増やすことができる筋肉は骨格筋。骨格筋を増やすことは、基礎代謝量を高め、肥満解消にもつながるのです。

2.インスリン抵抗性の改善に

肥満状態では、筋肉中のインスリン受容体の働きが悪くなり、分泌されたインスリンに対して、きちんとブドウ糖を取り込むことができない「インスリン抵抗性」が生じることが分かっています。インスリン抵抗性があると、血液中にブドウ糖が余ってしまい、高血糖を招きます。
運動や筋肉量を増加させることは肥満解消につながるので、インスリン抵抗性の改善にも効果的なのです。

3.筋収縮によりインスリンがなくても糖取り込みが起こる

細胞にブドウ糖を取り込むためには、基本的にインスリンの働きが必要です。
しかし、運動効果(筋収縮)でも独自のルートで糖取り込みが行われることが明らかになりました。これはインスリンを必要としないので、インスリン分泌が少ないタイプの糖尿病患者さんでも糖取り込みが起こり、血糖値を下げる効果を期待できます。

筋肉トレーニング、1日おきに徐々に負荷を上げて行おう

このように、筋肉を増やすことは糖尿病に嬉しい効果をもたらしてくれることが分かりました。ここで、筋力を上げるための簡単なトレーニング方法についていくつかご紹介します。
筋肉の回復は時間を要するので、毎日ではなく1日おきぐらいで行うのが良いでしょう。

①スクワット
両脚を肩幅に開いて立ちます。
両手は水平に伸ばし、ゆっくりと腰を落とします。
曲げたところで1秒呼吸をおいて、ゆっくり元の姿勢に戻します。
反動をつけず、呼吸はゆっくり行いながら繰り返します。
1日20~30回程度から始め、徐々に回数を増やします。
(注意)膝は曲げすぎると負担がかかるので、90度までにしておきましょう。きつい場合は浅めの角度で行います。膝の痛みや違和感があるときはやめましょう。

②ステップ運動
市販のステップや、ご自宅の階段を使って行います。または雑誌や新聞を重ねて15cmぐらいの高さでずれないようにしっかり固定したものでも代用できます。下肢の筋力アップと有酸素運動の効果を兼ねているため、更なる運動効果が狙えます。
1段の段差を、「いち、に、さん、し・・」とリズミカルに上り下りします。
右足、左足で上ったら、右足、左足の順で後ろに下ります。
上り下りを50~70回程度から開始し、徐々に増やしていきましょう。
(注意)転倒すると危険なので、すべりにくい靴下などをはいて運動します。また、手すりなどのそばで行うようにし、不安定な方はつかまりながら行いましょう。

③腕立て伏せ
よつんばいになり、息を吐きながらゆっくりと上体を床に近づけます。
体重を前に掛けると負荷が高まります。
最初は5~10回を目標に、徐々に回数を増やします。

筋肉トレーニングのみでも効果が、有酸素運動と組み合わせるとさらに効果的

筋肉トレーニングによって筋肉量が増加することで、代謝アップによる肥満改善、ブドウ糖取り込み量の増加による血糖値低下、インスリン抵抗性の改善などが望めます。

これまで、糖尿病の運動には有酸素運動が効果的だと考えられていました。しかし、近年のアメリカの研究では、週に150分以上筋肉のみのトレーニングを行う人で糖尿病リスクが34%低下、週に59分未満でも12%低下したことが分かり、筋肉トレーニングも糖尿病に有効であることが明らかになりました。ジョギングや散歩など、有酸素運動では天候に左右されるものが多いですが、筋肉トレーニングでは自宅で気軽に行えるというメリットもあるので積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?有酸素運動と組み合わせるとさらに効果的です。

筋肉は回復するための時間も必要としますので、毎日行うのではなく1日おきに行うぐらいがいいとされています。負荷が強すぎると筋肉の炎症を起こす原因となりますので、最初は少なめから徐々に回数や負荷を高めるようにしましょう。決して無理をせず、長く続けるのが大切です。

参照・参考
筋組織、神経組織 - 健康と医療の情報局

家庭での「筋トレ」で血糖値を改善 | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア
筋肉と糖尿病の深い関係 | 中央区八丁堀駅から徒歩1分、内科での診察は高橋医院へ

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