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糖尿病で本当に怖いのは「合併症!」

はじめに

平成23年度の国民健康調査では国民の4人に1人以上(27.1%)が糖尿病とその予備軍と推定され、我が国の医療費増大の大きな一因です。
糖尿病の慢性合併症には「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」の三大合併症を含む細小血管障害と、「心筋梗塞」「脳卒中」などの大血管障害などがあります。

現在、糖尿病性網膜症による失明などの視覚障害は約3,000人/年、糖尿病性腎症のため透析導入となる人が約15,000人/年、神経障害や末梢動脈疾患による下肢の壊疽、切断となる人が約3,000人/年と推定されています。心筋梗塞や脳出血などでは生命に危険が及ぶこともあります。

糖尿病とは

糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖血中濃度)が慢性的に高くなる病気です。
慢性高血糖は血管を内側から傷つけ、細胞障害や機能障害を起こします。この代謝異常が全身の血管を中心とした、様々な臓器を侵し合併症の原因となっています。

慢性合併症の種類

合併症

各合併症の原因とポイント

  1. 糖尿病性網膜症高血糖状態は血栓を作りやすくします。これが眼に起こると、網膜の毛細血管が閉塞し血流不全となります。
    網膜への血液が不足すると、人体は静脈の形を変形させ、新しい血管(新生血管)を生み出すことなどで血流を補おうとします。
    ところが新生血管は脆弱で出血しやすく(眼底出血)、さらに進行すると網膜剥離を引き起こします。
    これが失明などの重篤な視力障害の原因となっています。
    網膜症の診断、治療のために定期的な眼底検査が必要とされています。
  2. 糖尿病性腎症腎臓は尿を生成する臓器です。高血糖状態が続くと腎臓の糸球体の細い血管が障害され、血液をろ過することができなくなります。
    ろ過できないタンパク質は尿中に漏れ出し(蛋白尿)、進行すると浮腫や血圧上昇を伴いながら腎臓の機能が低下していきます。
    末期腎不全では尿を生成できず、透析導入が必要となります。
    腎症は三大合併症のうち一番遅く見られ、経過も緩慢です。気が付いたときには腎症が進行していることも少なくなく、早期診断には微量アルブミン尿の測定が重要です。
  3. 糖尿病性神経障害糖尿病性神経障害とは代謝障害と血流不全による末梢神経の障害です。合併症の中では出現頻度が高く、顔面神経麻痺などの単神経障害と、多発神経障害に分けられますが、一般的に多発性神経障害のことを指しています。
    多発神経障害は感覚・運動神経の障害と自律神経障害の症状を起こします。
    感覚障害は主に足の異常知覚、しびれ、疼痛、知覚低下をきたし、自律神経障害では起立性低血圧、便秘、下痢、排尿障害、発汗異常、勃起不全などが見られます。
  4. 心筋梗塞・狭心症糖尿病は動脈硬化の疾患の危険因子であり、コレステロールを多く含んだマクロファージ(白血球の一種の単球)が集まると、血管壁を肥厚させます。
    これが心臓の栄養血管である冠動脈に起こると、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。糖尿病患者が心筋梗塞を起こす危険度は、健常者の3倍以上であり糖尿病診断の初期であっても合併が見られることが明らかになってきました。
    糖尿病患者は心筋梗塞の症状が出にくいことが多く、多枝病変などすでに進行した状態で発見されることが多いので注意が必要です。
    合併症2
  5. 脳血管障害脳血管障害とは、脳に栄養を送る血管が閉塞し脳細胞が死んでしまう「脳梗塞」や、血管が破れ出血する「脳出血」などの総称です。
    合併症では脳出血よりも脳梗塞の方が多く見られ、糖尿病患者の脳梗塞発症リスクは非糖尿病患者の2~4倍で、糖尿病における脳梗塞は再発率も高いです。
  6. 糖尿病足病変と末梢動脈疾患糖尿病患者には白癬症から、足や足指の変形、足潰瘍や壊疽まで幅広い病変が合併します。
    末梢動脈疾患とは下肢の動脈が慢性的に閉塞する病態を指しますが、重症の足病変(潰瘍・壊疽)の原因は末梢動脈疾患以外にも神経障害、微小循環障害、知覚異常による外傷や熱傷の治療の遅れなどがあり、高血糖は傷の治癒も遅延させます。
  7. 易感染糖尿病患者は肺炎、皮膚炎、歯肉炎などさまざまな感染症にかかりやすい状態です。
    高血糖は好中球が細菌やウィルスを食する機能や免疫応答を弱める、高血糖による脱水状態が白血球の運搬に支障をきたす、神経障害による排尿障害や痛みを感じにくく発見が遅れるなどの原因が挙げられます。
  8. 歯周病歯周病は歯周病菌の感染による歯周組織の慢性炎症のことです。
    自覚症状に乏しく、血糖コントロールの不良が歯周病を重症化させやすくします。
    逆に歯周病治療をすると血糖コントロールも改善する相互作用も認められています。

おわりに

合併症は様々で生命予後にも関与しますが、早期診断と適切な治療を継続することで発症や進行を阻止することができます。
患者さん自身も気になる症状はすぐに医師に報告し、協力体制での合併症対策が望まれています。

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