【医師監修】糖尿病が原因で眠い・・・?糖尿病と眠気の意外な関係

なぜ糖尿病だと眠くなるのか

食事をとった後、一時的に血糖値が上がってうとうとしてしまうのは誰にでもあることです。しかしこの眠気が耐え難いほど強烈なものであったり、長時間にわたるものであったりする場合には、高血糖の疑いがあります。
通常、食事で取り入れたブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリンによって体内に吸収されるため、食後2時間ほどで眠気は治まります。しかし高血糖の場合はインスリンの働きに問題が生じてしまうため、いつまで経っても血糖値が下がらず、眠い状態が続いてしまうのです。
また糖尿病の初期症状には頻尿もあります。夜中に何度もトイレに行くためぐっすり眠れず、昼間に強い眠気を感じる原因になります。

「低血糖」による眠気にも注意

反対に、「低血糖」でも眠気は引き起こされます。
糖尿病では血糖値が高い状態が続きますが、食事制限・運動療法・薬物療法を行っている方の中には、血糖値が下がり過ぎて低血糖状態を招くことがあります。
血糖値が50~60mg/dl以下が低血糖の目安です。

低血糖になると、脳にブドウ糖を十分供給できなくなります。
脳は全身の働きをコントロールしている臓器ですが、その脳が栄養不足で働けなくなるため、あくびが出たり眠気を感じたりすることがあります。
実は、これらの症状は本格的な低血糖発作前の「警告サイン」なのです。
あくびや眠気以外にも、冷や汗・頭痛・めまいなどの症状が起こりますが、症状が悪化すると意識障害やけいれんを起こし、生命に関わることもあるので注意が必要です。

また、低血糖の原因として意外なものに、糖質の過剰摂取があります。
血糖値を上げるはずの糖質がなぜ低血糖を招いてしまうのでしょうか?

パンやごはん、ジュース、お菓子など糖質の入ったものは私たちの身近にたくさんあります。こ
れらを食べ過ぎると当然血糖値が上がります。
体は血糖値を一定に保とうとするので、膵臓は頑張ってインスリンをたくさん出して血糖値を下げようとします。

しかし、これが続くと膵臓は疲弊してしまい、インスリンの分泌量をコントロールできなくなります。
その結果、少し糖質を摂っただけでもインスリンを過剰に分泌するようになり、血糖を必要以上に下げてしまい、眠気を引き起こす可能性があるのです。

糖質の摂り過ぎには十分注意し、のどが渇いたときの水分補給は、ジュースではなくお茶やお水にしておきましょう。

糖尿病患者さんに多い肥満。睡眠時無呼吸症候群にも注意

糖尿病患者さんにおいては肥満の方が少なくありません。
肥満の方は、首周りや気道に付いたぜい肉が気管を圧迫することで正常な呼吸ができなくなる「睡眠時無呼吸症候群」を起こしやすいことが分かっています。

睡眠時無呼吸症候群でも睡眠の質が落ちるため、日中に眠くなることが多くなります。
睡眠時無呼吸症候群では、夜間に大きないびきをかいていたり、突然呼吸が止まったりするのが特徴です。
とはいえ、寝ている最中のことは本人ではわからないことが多いので、パートナーに自分のことを見ていてもらい、ひどいいびきをかいたり息が止まったりしていないか、聞いてみるのもいいでしょう。

まずは眠気の原因を究明。原因に合わせた対処を

日中の眠気が取れない場合には、まずは医師に相談し、原因を突き止めましょう。

高血糖が原因の場合は、食事の仕方を改善すれば血糖値の急上昇を抑えられます。
炭水化物の量を減らして糖質の摂取を抑えるようにしたり、食物繊維の多い野菜やキノコ類を先に食べたりすることで、血糖値が急激に上がるのを防ぐことができます。
また毎日決まった時間に食事をとることも重要です。
長い空腹時間ののちに食事をすると、血糖値が急上昇しやすくなります。
一日三食、時間を決めて規則正しく食事をとるようにしましょう。

低血糖が原因で眠気が起こっている場合には、まずはジュースなどで糖分を摂ります。
ブドウ糖を含む清涼飲料水150ml~200ml、砂糖10~20gが目安です。
安静にして15分様子を見て、改善しない場合はもう1回繰り返します。
低血糖が予測される場合には、ブドウ糖を含む飲み物や、スティックシュガーを携帯しておくといざというときに安心です。

さらに、血糖測定器を携帯し、眠気が強いときに血糖値をチェックしてみるのもおすすめです。
眠気の一つの原因であり、身体からの警告のサインでもある低血糖の有無がはっきり分かります。

肥満の方で、もし睡眠中にいびきをかいていたり、呼吸が止まっていたりするようであれば、睡眠時無呼吸症候群を疑って睡眠外来を受診してみるのもいいでしょう。
まずは、普段の生活でも夜間にきちんと眠れるよう工夫をすることも大切です。
毎朝決まった時間に起床し、光を浴びるよう心がけましょう。

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