治療と予防コラム

糖尿病を正しく理解し病気とうまく向き合うためのコツとは?

糖尿病は、一度診断されると一生付き合って行かなくてはならない病気。
ですが、決して悲観することはありません。
適切な治療を続け、血糖のコントロールを行うことで、全身への影響を予防し、合併症を起こさず健康的な生活を送ることも可能です。

今回は糖尿病とうまく向き合うためのコツをご紹介しましょう。


糖尿病についておさらい 簡単に解説します

糖尿病はインスリンの作用が不足し、血糖値が高くなり、高血糖の状態が継続する病気です。


“わかりやすくいうと、上手くブドウ糖を取り入れられない病気です。
糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてしまいます。
どうしてそのようになるのかといえば、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが足りなくなったり、うまく細胞に作用しなくなるからです。
インスリンは、体の中で唯一血糖を下げるホルモンで、食後に血糖が上がらないように調節する働きがあります。
また、血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んで、エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えて、エネルギーとして蓄えておくようにする働きがあります。
ブドウ糖をコントロールしているインスリンが不足したりうまく作用しないと、ブドウ糖が細胞に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖が使えなくなってしまいます。
そのため、血糖値が上がってしまい、そして、筋肉や内臓にエネルギーが運ばれないため、全身のエネルギーが足りなくなってしまいます。
つまり、インスリンがすい臓から分泌されない、またはその量が不足している、分泌されているのに十分に作用しないなど様々な原因で慢性的に高血糖になるのが「糖尿病」です。”


血糖値コントロールのための目標値

糖尿病とうまく向き合って行くには血糖のコントロール目標を把握しておくことが大切です。
自分の検査結果は、推移を見るためにも過去の分も保管しておくと良いでしょう。


① 血糖値の基準値と目標値



OGTT検査 基準値 合併症予防のための目標
空腹時血糖値(㎎/dl) 70~109 130未満
食後2時間後血糖値(㎎/dl) 140未満 180未満

(日本糖尿病学会:2014~2015糖尿病治療ガイド)

② ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)の基準値と目標値


基準値 糖尿病型
コントロール目標値
血糖正常化を目指す際の目標 合併症予防のための目標 治療強化が困難な際の目標
HbA1c(%) 4.6~6.2 6.5以上
6.0未満
7.0未満
8.0未満

(日本糖尿病学会:2014~2015糖尿病治療ガイド)

③ BMI目標値=22

血糖状態に加え、糖尿病と深い関係をもつ肥満度についても目標を定めておくことが重要です。
目標値については、日本や米国でBMIが22付近の人たちが長命で病気にかかりにくいという調査結果からきています。
肥満度の高い人は、食事と運動の両面から、まず現体重の5%程度の減量を目指しましょう。


BMIの計算方法=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

(日本糖尿病学会:2014~2015糖尿病治療ガイド)



生活習慣の改善で糖尿病をコントロール


① 食事編:食事の基本はカロリーとバランス

食事療法の基本は、食事を極端に減らすのではなく、適切な量をバランスよく食べること。
一日に必要なカロリー数や栄養の配分は糖尿病の進行具合や年齢などによって変わってくるので、定期的に管理栄養士による栄養指導を受け、適切なカロリー数、栄養バランスをレクチャーしてもらいましょう。

食事療法は毎日メニューを考えるだけでも最初は大変なものです。
自分だけで思案するよりも、専門的な知識を持った管理栄養士の助言を受けながら、正しい食事管理を続けていくことが大切。
その上で、ちょっとした心がけで血糖の上昇を抑える方法をご紹介しましょう。
それは、「食事は副菜(野菜)から食べ始める」だけ。
野菜に含まれる食物繊維は、胃や腸で吸収されず、水溶性食物繊維は粘性があり、不溶性食物繊維はカタチいびつなので、胃腸内に長時間留まり、その後に摂取された食べ物の消化吸収スピードを遅くさせます。
そのため、食後の血糖上昇が緩やかになるという効果があるのです。



➁ 運動編:食事のあとの短時間の運動で血糖の上昇を緩やかに!

運動療法も糖尿病のセルフケアには欠かせません。
ですが、忙しい毎日の中でどんな運動を取り入れていいのかと悩んでいる方も多いはず。
そこでおすすめなのが、食後のウォーキングです。
2013年、アメリカのジョージワシントン大学の研究で、食後30分後に15分間のウォーキングをすることで、食後の血糖値上昇を抑える効果があるという調査結果がありました。
夕食後のウォーキングがさらに効果が高いことも分かっています。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/020326.php
毎日の食後のウォーキングを習慣化し、肥満予防、解消と食後血糖値の急上昇を避けることで、血糖値をコントロールしましょう。


➂ 検査編:自分の状態を数値でチェック

糖尿病の方にとって肥満は大敵。病状安定のためにも減量を行っている方も多いのではないでしょうか?

減量の重要な目安はやはり体重です。
減量を積極的に行っていない方でも、毎日の体重測定は日々の食事、運動療法の成果をみよい目安となります。
毎日決まった時間に体重を測り、記録を残しておくと、「この半年で○kg体重が減っている!」など成果を把握しやすく、セルフケアのモチベーションも上がります。

また、自分の身体の状態は見た目や感覚ではわからないものです。
特に血糖値は高値を示しても自覚症状はないに等しく、血液検査で数値をみなくては把握することはできません。
定期的な検査を怠らず、自分の状態を常に知っておくことも糖尿病コントロールに重要といえるでしょう。


いつまでも健康でいるために

糖尿病は、初期には自覚症状がないために、気づいたときには悪化してしまっていることも多い病気です。
しかし、早い段階からセルフケアを行えば病状の進行を抑えられる病気でもあります。

日々一人で糖尿病と向き合っていくことは、場合によっては精神的な負担が大きくなる場合もあります。
ストレスは血糖値に悪影響を及ぼす一因ともなるため、通院時に、どんな些細なことでも医師に相談したり、食事についての悩みは管理栄養士を頼ることもよいでしょう。

また、同じ病気を持つ人のためのコミュニティサイトを活用するのもおすすめ。
健康食品や衛生用品を手掛けるサンスターの糖尿病サイトは、同じ病気をもつ人達の交流の場や、糖尿病に関する情報が満載です。
https://jp.diabetes.sunstar.com/myroomResources/community.html


糖尿病患者の悩みは一人でため込まず、心のセルフケアも気をつけたいものですね。


  • 参照・参考
  • 糖尿病治療ガイド2016-2017(抜粋):日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society
  • Three 15-min Bouts of Moderate Postmeal Walking Significantly Improves 24-h Glycemic Control in Older People at Risk for Impaired Glucose Tolerance | Diabetes Care
  • コミュニティ – 糖尿病とうまくつきあう
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