血圧が高いと何故いけない?糖尿病患者のための血圧教室

☆血圧とは?

血圧は、心臓から体内に送り出される血流の強さを表します。
心臓はポンプの原理と同様に、広がる(拡張)と血液が貯まり、縮む(収縮)と貯まった血液が全身に送り出される仕組みになっています。
この広がった(拡張)状態で動脈にかかる圧力を最低血圧、縮んだ(収縮)時の圧力を最高血圧といいます。

通常、血圧は体内の血流量が過剰になる、または動脈硬化などの理由から血管の伸縮が悪くなると高値を示します。そして、血圧の高い状態が持続することにより狭心症や脳梗塞、脳出血といったリスクが高くなります。

 

☆糖尿病と高血圧の危ない関係

糖尿病の人は高血圧になりやすく、その頻度は健康な方の約2倍の多さです。糖尿病の人で高血圧な状態が続くとどのようなリスクがあるのでしょうか?主な症状を挙げてみましょう。

①  動脈硬化を起こしやすい

高血糖状態は動脈硬化を招きやすく、糖尿病と高血圧を併発していると、動脈硬化を起因とした心筋梗塞や脳梗塞などを発症する危険性は健常者6~7倍にも及びます。

②  糖尿病性腎症の発症、進行を加速

高血圧状態が持続すると腎臓に過度な負担が掛かり、更に血圧が高くなります。その結果、糖尿病性腎症の発症、悪化を招くことにもなります。

☆糖尿病患者のは?

糖尿病の人は「130/80以上」が要治療ラインです。
血圧基準値

参考文献:日本高血圧学会「高血圧ガイドライン2009」)

※血圧数値の見方は、最高血圧と最低血圧で、より高い分類に判定された方が優先されます。(142/86mmHgならば、最高血圧がⅠ型、最低血圧が正常高値なので、Ⅰ型高血圧となります)

高血圧症(※)の判定基準は「正常高値」「I度」「II度」「III度」に分けられます。その中でも「正常高値」は高血圧に達しないものの、やや血圧が高めの範囲を示します。持病や危険因子のリスクをもたない人にとっては問題ない数値ですが、糖尿病患者さんの場合、「正常高値」はすで治療を要する範囲に該当します。これは、リスクのない人よりも、心臓血管障害を起こす可能性が高いという理由からです。

※「高血圧症」は医師からの診断を受けた疾患名です。

☆糖尿病の人が高血圧症と診断されたら

高血圧症と診断された場合、まず行われるのが降圧薬による服薬治療での血圧コントロールと減塩や体重管理などの日常生活の改善指導です。

糖尿病患者さんの場合、降圧薬治療による血圧コントロールの目標値は最高血圧130mmHg未満、最低血圧80mmHg未満となっています。これは、他の持病を持たない高血圧症患者さんよりも厳しい値となっており、それほど糖尿病と高血圧症を併発する事でのリスクの高さを物語っています。

☆糖尿病患者のための、自分で出来る高血圧予防策

糖尿病患者さんにとって血圧は人生を左右する存在といっても過言ではありません。

高血圧症とならない為に、糖尿病治療と併せ、どの様な生活習慣を心掛ける事が有効なのか、そのいくつかを紹介しましょう。

1. 一日の塩分摂取量を6g未満に

健康な日本人の一日の塩分摂取量は10g以上。塩分の取りすぎは血圧上昇に深く関係しています。減塩は他のどんな生活改善よりも血圧降下に効果的を示します。塩分は少ないほうがいいですが、目安としては6g未満です。

まず、味噌汁の味噌を減塩タイプに変えるのも効果的です。

2.食習慣の改善

揚げ物やケーキなどのコレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食べ物は控えめに、その分、野菜や果物を多く摂るようにしましょう。野菜を摂る際には、ドレッシングのかけ過ぎに注意しましょう。また、肉よりも魚(魚油)を積極的にとりましょう。

3. 体重管理

BMI25%未満を目指しましょう。
BMIが25%以上の人の場合、4~5kg減量することで、血圧降下に効果があるとされています。

4.節酒

一日当たりの目標量は、日本酒で1合、ビールで中ビン1本。程々に楽しむ事が大切です。

5.禁煙

喫煙は動脈硬化を促進させます。喫煙者はまず禁煙に取り組む事を強くお勧めします。

最後に

糖尿病の食事療法や運動療法は高血圧対策にも通じる点が多くあります。まずは医師や管理栄養士の指示のもと、正しい糖尿病治療に励む事も血圧上昇の予防に繋がります。

血糖と血圧、どちらも上手にコントロールして、健やかな毎日を目指しましょう。

 

(参考文献:日本高血圧学会「高血圧ガイドライン2009」)

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