治療と予防コラム

血圧を下げる薬で命を守る

「血圧を下げる薬なんか飲みたくない。」というのが多くの高血圧の人の本音ではないでしょうか。そして、その理由としては、飲みはじめると一生飲み続けなければならなくなるのでは、ということもあるかと思います。ただ、処方された薬は、お医者さんがいろいろなリスクを検討して出しているものですので、説明されたとおりきちんと飲むことが大切です。また、血圧を下げる薬はやめられる可能性もあります。

処方された薬を飲まないリスク

高血圧になると、食事や運動についてアドバイスをされ、生活習慣について留意していくことになりますが、状況によって薬が処方されたりします。

薬が処方されるのは、高血圧をこのまま放っておくと動脈硬化等を起こしやすくなり、それが、脳梗塞や心筋梗塞、心不全、腎不全など命に関わる重大な事態を引き起こす可能性が高くなるからで、特に血圧が非常に高かったり、それほど高い血圧でなくても肥満や脂質代謝異常等の危険因子が複数あったり、糖尿病も持っていたりする場合は、重大な事態を引き起こす可能性が高くなっていることから、食事や運動指導に加えて薬が処方されます。

つまり、薬がやめられなくなると嫌なので飲まないということは、逆に命を危険にさらしている事にもなりかねません。

血圧をさげる薬を飲んでいる時の食事での注意点

血圧を下げる時の生活習慣は、運動をしてお酒を控え、禁煙することが大切です。食事では、食塩を1日に6g未満に抑え、野菜・果物・魚(魚油)を積極的に摂取し、コレステロール(玉子、魚卵、肝、内臓に多く含まれる)や飽和脂肪酸(乳製品・肉類に多く含まれる)の摂取を控えます。

腎臓の働きが悪い人は、野菜・果物の取りすぎによるカリウム過多に、糖尿病のある人は果物の食べ過ぎによるカロリー過多に注意します。


さらに、血圧を下げる薬を飲んでいるときに、薬によっては注意しなければいけない食べ物があります。
血圧を下げる薬の中には、グレープフルーツジュース・ナツミカン・ポンタンに含まれている苦味成分等の影響を受け、薬の作用を強くしてしまい動悸や吐き気、めまい等を起こす可能性がある薬があります。

また、特に注意して欲しいのが、血圧が高めの方のトクホ(特定保健用食品)でペプチドを使っているものです。トクホと同時に摂ると作用が増強されるので注意が必要な薬もあります。こういった留意点については、薬剤師から薬を渡されるとき注意されますので、守るようにしてください。もし、トクホを利用していて不安な人は、飲んでいるトクホを医師か薬剤師に伝えても良いでしょう。

血圧を下げる薬を飲み続けなくても良いケース

血圧を下げる薬は一生飲み続けなければならないと考えている人もいるかもしれませんが、薬を飲み、血圧が下がってきて安定している場合、脳・心臓・腎臓等に障害が出ておらず、合併症の心配がない場合で、かつ、薬も1種類しか飲んでいないといった場合、医師が薬を減らしていき、薬をやめられるケースもあります。最終的には薬なしとなるケースがあります。

病院で医師から「良くなってきていますね。それじゃ薬の量を半分に減らして様子を見てみましょうか。」と言われることがあります。
薬をやめていくのは一気にはできません。薬に頼らずとも血圧が下がっていくような生活習慣を心がけ、血圧を上げる要因になっているようなものを排除していくことになります。

そして、まずは一週間薬の量を半分に減らし様子を見て、血圧が安定し体調も問題なければ、さらに半分に減らし、体調がすぐれない場合はもう2~3週間そのまま様子をみて、時間をかけていきます。この段階がクリアできれば、薬をやめられる可能性はかなり高くなります。そして薬の量を1週間単位で1/2、1/4、1/8、1/16と減らし、最終的には完全にやめていきます。

血圧が良い状態で安定し、薬もやめられたとしても、一番の基本は生活習慣で、食事についても、しっかりと今までどおり血圧の管理をしていくことが何よりも大切です。

全体のまとめ(総論)

高血圧をそのまま薬も飲まないで放っておくと、将来動脈硬化から起こってくる脳梗塞・心筋梗塞・心不全・腎不全等、命にかかわってくるような疾患になる可能性が高くなります。薬を飲んで血圧をコントロールし、これらを予防することが大切です。
処方された薬を飲まないというのは、「薬がやめられるならば、脳梗塞や心筋梗塞になってもいいやと」と言っているのと同じようなものです。

忘れてはならないのが、あくまでも食事・運動も含めた生活習慣が常にベースにあるということです。薬を飲んでいるんだから食事は多少いい加減でもいい、というのではなく、専門家のアドバイスに従い、血圧があがらない食事をしていくことが一番大切です。

また、血圧を下げる薬は、しっかりと食事や運動について管理することが大前提で、血圧がだんだんと下がって安定してくると、徐々に薬の量を減らすことができ、最終的には薬がいらなくなる可能性もあります。

高血圧は、心筋梗塞や腎不全のリスクが低い場合は、食事や運動で改善をめざし、ある程度血圧が高くリスクが高くなる場合はそのリスク回避を優先して薬での治療も行います。そして、もし治療を続けている過程で血圧が下がり安定してきた場合は、食事の習慣は守りつつ薬を徐々にやめていくことができます。

いずれは薬がやめられる日が来ることを目指して、食生活の改善を行いましょう。

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