治療と予防コラム

早食いを改めることで糖尿病リスクが低下? 食事にかける時間と健康の関係


早食いが食べ過ぎにつながる?

「よく噛んで食べる」ことが良い、というのはよく知られていますが、その理由までは知らないという方も少なくないのではないでしょうか。よく噛んで食べることが健康に良いと考えられているのには、それなりの理由が存在するのです。

人間は、脳の視床下部にある満腹中枢で、満腹を感じています。食事をとることで血液中のブドウ糖が増え、満腹中枢が刺激されることで満腹感を覚えます。満腹中枢がブドウ糖の血中濃度の上昇を感知するには、15分から20分ほどかかるとされているため、あまり噛まずに早食いしてしまうと、満腹感を覚える前に食べ過ぎてしまう可能性が高まるのです。

早食いはメタボリスクを上昇させる

反対に、時間をかけて食事をとることが、糖尿病をはじめとした疾患の原因となるメタボリックシンドロームの予防につながることが近年の研究で報告されています。広島大学は、食事をとる速さとメタボリックシンドロームの発症の関係性について調査を行いました。調査の対象となったのは2008年の段階でメタボリックシンドロームと判定されていない男女1000人以上で、普段の食事にかける時間で「早食い」「普通」「時間をかける」グループに分けました。

5年間にわたる調査の結果、調査期間中にメタボリックシンドロームを発症した割合は、「早食い」のグループで11.6%にのぼり、「時間をかける」グループの2.3%、「普通」グループの6.5%を大きく上回りました。また、この調査では、早食いが体重の増加や血糖値の上昇、腹囲周囲径の増加に影響していることも明らかになりました。

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