治療と予防コラム

気付かぬうちに進行・・・糖尿病三大合併症の一つ「糖尿病腎症」とは?

糖尿病は初期症状が分かりづらく、気づかないうちに進行していく病気と言われますが、合併症である「糖尿病腎症」もまた初期の段階の自覚症状はほとんどなく進行していってしまいます。
腎臓の機能が損なわれ「腎不全」になってしまうと、人工透析を余儀なくされ、日常生活に大きな負担となってしまう場合もあります。

ここでは、「糖尿病腎症」の症状や検査などについて見ていきたいと思います。


「糖尿病腎症」はどんな病気?

糖尿病で高血糖状態が長く続くと、細い血管や神経からダメージを受け始め、さまざまな病変が起こってきます。手足の末梢神経が障害されれば手足のしびれが起きたり、目の網膜の血管が障害されれば「糖尿病網膜症」に、腎臓の血管に障害が及べば「糖尿病腎症」といった合併症が起きます。

「糖尿病腎症」は、糖尿病を罹患してから10~15年以上経って発症することが多いと言われています が、糖尿病の診断が遅れた場合には、糖尿病診断時にすでに腎症を発症している場合もあります。
腎臓は次のような働きを持つ、とても重要な臓器です。そのため腎臓の機能が低下するとさまざまな症状が起こります。


<腎臓のはたらき>

  • 血液をろ過し、老廃物や余分な塩分などを尿として排出する
  • 体液量やイオン(電解質)バランスを調整する
  • 血圧を調整する
  • 血液を作るホルモンを分泌する

<糖尿病腎症の症状>

  • むくみ
  • 息切れ、胸苦しさ
  • 食欲不振、膨満感
  • 悪心、嘔吐
  • 筋肉の硬直、足をつる
  • 手足のしびれ
  • 腹痛
  • 発熱          など

※ただし初期の段階ではほとんど自覚症状はなく、これらの症状が現われるのはかなり進行してからと言われています。


糖尿病腎症を早期で発見するには、定期的な検査が必須!

自覚症状が出るころには、病気が進んでしまっている糖尿病腎症。なるべく早期で発見するには定期的な検査が欠かせません。血糖コントロールが上手くいっている場合にも、糖尿病患者さんは年1回検査を受けるようにしましょう。

糖尿病腎症の検査は主に次のようなものがあります。


<糖尿病腎症の検査>

・【尿検査】尿中微量アルブミン
 アルブミンはたんぱく質の種類の一つ。健康な場合は、尿にたんぱくが出ることはほとんどありませんが、腎臓の機能が低下すると「アルブミン尿(たんぱく尿)」が出るようになります。

・【血液検査】血清クレアチニン
 クレアチニンは老廃物の一種。腎機能が低下していくと、クレアチニンの血中濃度が高くなります。

・【血液検査】尿素窒素(BUN)
 尿素窒素は、有害なアンモニアを無害な尿素に変えるときに産生される物質。尿素窒素は35~70%が再吸収され、残りが尿中に排せつされますが、腎機能が低下すると血中の尿素窒素の値が上がります。

・【尿検査】クレアチニンクリアランス
 血清中と尿中のクレアチニンの量を測定して比較することで、腎臓が老廃物を除去する(クリアランス)力がどのくらいかを調べます。


※検査の種類、基準値などの詳しい内容は医師の指示に従ってください。


糖尿病腎症と診断されたら・・・

検査の結果、糖尿病腎症と診断された場合、その度合いに応じて食事(たんぱく質が腎臓への負担となるため、たんぱく質の制限が行われることもある)や運動による血糖コントロールを行います。
また、腎機能が低下すると高血圧になりやすくなりますが、高血圧はさらに腎臓の血管に負担をかけるという悪循環が起きるため、血圧を下げる治療も併せて行っていきます。
さらに、腎機能が極度に低下、腎不全を起こしている場合には、人工透析や腎移植が検討されます。

病状によって細かく治療は異なるため、医師の指示を守るようにしましょう。


自覚症状がなくても、糖尿病患者さんは年1回の定期検査を!

糖尿病患者さんの30%~40%が罹患 していると言われている糖尿病腎症。初期の自覚症状がほとんどないのにも関わらず、悪化してしまうと根本的な治療のない病気のため、早期発見が大切です。たとえこれと言った自覚症状がない場合にも、糖尿病患者さんは年1回の定期検査を欠かさず受けるようにしましょう。

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