糖尿病の血糖コントロール方法のご紹介

糖尿病において大切なことは、血糖のコントロールを行なうことにより、手足の感覚障害や視力低下、脳梗塞や心筋梗塞などといった合併症の予防をすることです。
そのためには、血糖の目標値を知り、血糖コントロールをすることが必要になります。

ここでは糖尿病の方にとっての血糖の目標値と、血糖コントロール方法をご紹介します。

血糖の目標値

日本糖尿病学会では、2013年5月に、同年6月1日以降の血糖コントロールのためのHbA1c(NGSP値)の目標値を次のように変更すると発表しました。

・血糖正常化を目指すときの目標:6.0%未満
 →治療により正常値を目指す数値であり、空腹時血糖126㎎/dlに相当
・合併症を予防するための目標:7.0%未満
 →正常値を目指すのが困難な場合の数値であり、空腹時血糖130㎎/dlに相当
・治療強化が困難な際の目標:8.0%未満
 →低血糖の副作用やその他の理由で治療を強化することが困難な場合の数値であり、
  空腹時血糖160㎎/dlに相当

これらを指標として、糖尿病の進行度や年齢・合併症の有無などによって医師により目標値を設定します。

以前は、「優」「良」「可(不十分)」「可(不良)」「不可」の5段階評価でした。
しかしこの評価指標は、個々の病状に関わらず全糖尿病患者で一律のものでした。

新しい指標では、病状により目標値を設定できるように改訂されています。

HbA1cはヘモグロビンエイワンシーと呼ばれます。
糖尿病と非常に関係のあるグリコヘモグロビンの一種で、赤血球のタンパク質であるヘモグロビンとブドウ糖が結合したものです。

聞きなれない用語が出てくると難しく感じますが、大切なポイントは「HbA1cの測定数値は、直前の食事の影響に左右されず、過去1~2ヶ月間の血糖値の平均が反映されたもの」ということです。

血糖値は食事の影響を受けやすいので、測定したときだけの血糖値だけでは、血糖コントロールができているかの正確な判断ができないのです。
そこでHbA1cが大切な指標となります。

ではどのようにして目標値を目指したら良いのか、血糖コントロール方法をご紹介します。

血糖コントロール方法

血糖コントロールの基本は食事療法と運動療法です。
この2つを行なってもコントロールできない場合は、薬物療法が行なわれます。

① 食事療法

特別な制限はなく、医師に指示されたカロリーを守り、間食を控えて、栄養バランスの良い食事を1日3食、決まった時間にとることが大切です。

食事時間が不規則だったり、1食分を抜いてまとめて食べると、血糖値の変動が大きくなります。

これは、食事を抜いて空腹状態が続いたあとでは糖分が取り込まれやすく、血糖値が急激に上昇しやすくなるからです。

また、急激に血糖値が上昇すると下がるときも急激になり、そのぶん空腹感が強まり暴食につながりやすくなります。

簡単にできる食事療法のポイントとしては、食事をするときは糖分の少ないものから食べるようにすることです。
炭水化物は消化される過程で糖に変わるので、まずは野菜などの副菜を食べてから白米を食べるようにすると、食事による血糖の上昇を緩やかにすることができます。

また、どうしても甘いものが食べたいときには食後に食べましょう。 カロリーは多くなってしまいますが、食後ある程度血糖値が上がっている状態で甘いものを食べることで急激な上昇は抑えられるので、空腹時に食べるよりは影響が少ないです。

② 運動療法

運動することで血液中にある糖が筋肉などに送り込まれて、血液中の糖、すなわち血糖値を下げることができます。また定期的に運動を続けることで、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを活性化させ、効きやすくすることもできます。それにより血糖コントロールができやすくなるという利点もあるのです。

運動は、血糖値が上昇している食後30分~1時間後に行うと効果的です。また、その効果は、48時間ぐらいあるとされています。
毎日運動をするのが大変な方は、まずは1日置きに始めてみるのも良いでしょう。

しかし、糖尿病の合併症があったり、重度の高血圧があったり、糖尿病以外の病気もある場合は、それらを悪化させる可能性もあるので、運動療法は医師との相談のもと行いましょう。

③ 薬物療法

薬物療法は、血糖値を下げる内服や、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの注射が代表的な治療です。

インスリンの注射に対しては抵抗感のある方もいらっしゃるかと思いますが、初期の段階から、高血糖に対して十分に必要な量のインスリンを使用することで、高血糖状態を早く改善させてインスリンの効き自体を良くできることがあります。
それにより、最終的には注射をやめて食事療法と運動療法だけに切り替えることができることもあり、インスリンの注射は正しい使い方をすれば血糖コントロールの強い味方となります。

しかし、誤った使い方をすると血糖値が低くなりすぎて、フラフラしたり冷汗がでたり、意識を失ってしまうこともあり、医師の指示を必ず守って使用しましょう。

以上の様に血糖コントロールのためには、食事療法と運動療法が基本となります。
食事を見直し血糖値の上昇を抑え、更に運動をすることで血糖コントロールしやすくします。

自分の目標値をクリアできるように自分にできることから取り入れ、糖尿病の進行や合併症が起こらないようにしていきましょう。

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