Q&A

糖尿病&高血圧を予防するために知っておきたい!3つの基本Q&A

はじめに

糖尿病と深い関係にある高血圧。
この2つの病気は、お互いに悪い影響を与え合ってしまうことがあります。
ここでは、糖尿病と高血圧の関係と、高血圧予防の食事や病院での治療についてまとめていきます。


危険!糖尿病と高血圧の合併

糖尿病の人は、高血圧を合併しやすいとされています。
これは、「インスリンの効きが悪い」、つまりインスリンが働きかける細胞に十分に作用しない【インスリン抵抗性】が関係しています。

私たちの体は食事をすると血糖値が上がります。
すると膵臓(すい臓)からインスリンというホルモンが分泌され血糖値を下げるように働くのですが、【インスリン抵抗性】を引き起こしてしまうと血糖値がなかなか下がらないために、膵臓からどんどんインスリンが分泌され、血液中にインスリンが多くなってくる「高インスリン血症」という状態になります。
この状態が続くと、インスリンには交感神経を緊張させ血圧を上昇させるホルモンを分泌させる働きもあるため、血圧が上昇してしまいます。


また高血糖状態では、細胞の浸透圧が高まり、そのバランスを取るために循環血液量が増加してしまいます。
血液量が多くなるとポンプの働きをする心臓が血液を送り出す時に大きな力を必要とし、血圧が上がってしまうのです。


また血液中に血糖が多いと、血管の内側の壁を傷つけたり、コレステロールなどの汚れがこびり付いて血管が狭くなって血液の流れが悪くなったりと、血管自体に負担がかかります。
高血圧も併発している場合にはさらに血管にダメージを与えてしまいます。
そして次第に血管に柔軟性がなくなり、硬くもろくなる「動脈硬化」が進行します。


このように、糖尿病で高血圧の場合には動脈硬化の進行を早め、動脈硬化が進むと脳血管系や心臓血管系も詰まりやすくなり、命にかかわることがある心筋梗塞や脳卒中などの合併症のリスクも高めてしまうのです。


糖尿病患者さんにおいて危険な高血圧。
その予防のために必要な食事法や治療について、Q&A方式でわかりやすくご紹介していきます。


Q1血圧を下げる栄養素は?また、その食材は?

A.高血圧予防には、血圧を下げるのに効果のある食材や、動脈硬化を予防するために血液をサラサラにする効果のある食材を食事に取り入れることがおすすめです。
血圧を下げる効果のある栄養素には、カリウム、マグネシウム、カルシウム、酢酸などがあります。

また、食物繊維は、体内での塩分の吸収を抑える働きや、コレステロールの吸収も抑制するため、動脈硬化の予防にも期待できます。
他にも、アリシンやケルセチンは、血液をサラサラにする働き、末梢血管を拡げる働きがあるため結果的に血圧を下げます。

これらの栄養素が豊富に含まれている食材は下図を参照してください。

栄養素など 食材
カリウム アボカド、ほうれん草、わかめ、りんご、バナナ
マグネシウム わかめ、昆布、大豆、納豆
カルシウム チーズ(無塩のもの)、ヨーグルト
食物繊維 のり、きなこ、納豆
アリシン ニンニク
ケルセチン 玉ねぎ
酢酸
(図;血圧を下げる作用に期待できる食材)

高血圧の予防には、これらの食材を意識して取り入れるのが良いでしょう。
ただし、血圧を下げる効果があるからといって極端にこれらの食材ばかりを摂らずに、バランス良く食べ、さらに運動することが大切です。


Q2高血圧予防のためにできる食事法とは?

A.高血圧予防には減塩が効果的です。
塩分を摂り過ぎると、血中のナトリウム濃度が過剰になります。
そうすると、それを薄めようと体の水分が血管内に移動します。
その結果、血管内の血液量が増大することになり、血管に圧力がかかり血圧が上がります。
そのため、高血圧には減塩によって血中のナトリウム濃度を上げないことが重要なのです。


糖尿病で高血圧を予防するには、高血圧治療ガイドラインで定められている1日6g未満を目標に減塩に取り組みましょう。
塩分には食欲増進作用があります。
塩分を控えるために、濃い味付けのものを控える、汁物は具だけを食べる、漬物は控える、ソースや醤油は小皿にとって少量つけるようにするなどの工夫をすれば、減塩と同時にカロリーも抑えることができ、減量効果も見込めます。
高血圧の危険因子となる肥満の解消も期待できることは一石二鳥と言えるでしょう。


Q3病院での高血圧の治療法とは?

A.高血圧予防には、一般的に食生活の改善や運動が効果的とされていますが、生活習慣の改善を行っても効果がなかなか得られない場合には、薬物治療が行われることがあります。

高血圧の薬には、大きく分けると2種類があります。
血管が収縮すると血圧が上がるので収縮を抑える働きをする薬(血管を拡げる薬)とポンプ機能で血液を全身に送り出す心臓の1回あたりの負担を減らす薬(心拍出量を減らす薬)です。
大きく分けると2種類でも、これらの薬は多数あり、少しずつ特徴が異なります。
高血圧の薬は、患者さんそれぞれの血圧の状態や症状に応じて医師の判断で処方されますので、医師からよく説明を受けるようにしましょう。

糖尿病の血糖コントロールに加え、血圧コントロールも加わるとなると面倒に感じてしまう人も多いのですが、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる合併症リスクを予防するために必要な治療ですので、面倒でも医師の指導に従い、適切に薬物治療を進めていきましょう。


食生活の改善と治療の継続が大事

今回は、糖尿病で高血圧を合併した場合、どんな危険が潜んでいるのか、またその対処法をご紹介しました。
普段の食生活を改善することで、血圧コントロールに気を配り、医師の指導がある場合には、食事療法だけではなく必要に応じて薬物治療も併行して、きちんと継続的に治療を進めていくことが重要です。


参考サイト;
大日本住友製薬ホームページより「Q1高血圧と糖尿病の関係」
http://kanja.ds-pharma.jp/message/ketsuatsu/column35.html

社団法人 日本栄養士会ホームページより
http://www.dietitian.or.jp/consultation/j_05.html

*参考書籍
高血圧―自分で測る・自分で下げる (別冊NHKきょうの健康) NHK出版
(2007年)

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